コラム:働き方コラムその1

京都 右京区西院 司法書士/行政書士/社会保険労務士 あおば綜合法務事務所

コラム

2018年 5月 15日

働き方コラムその1

国権の最高機関で、国の唯一の立法機関(憲法第41条)がながらく"異常"な状態だったことにある意味恐怖を感じてしまいます。

さて、通常国会の会期も残り1か月強ほどですが、重要法案の審議が行われる予定です。
その中の1つにいわゆる「働き方改革関連法案」として、労働基準法や労働契約法の改正についての審議があります。
これらの法律は勤務をされている方にとってとても重要ですので、要注目です。

現在、一定の基準はもうけられているものの、事実上上限も罰則もない時間外労働(残業)。
日本の企業では、とかく「残業の美学」のようなものが語られがちですが、過度な残業による過労死や自殺など現在の時間外労働の規制は問題だらけです。

そんな問題ありの状況を改善するため、働き方改革の柱の1つとして、「時間外労働の上限規制の導入」があります。
時間外労働と休日労働を合わせて、各月100時間未満、さらに2~6か月の各平均がいずれも80時間未満を上限とし、これに違反した企業(使用者)に罰則を科すというものです。

企業が従業員に時間外労働や休日労働を命じるためには、いわゆる36協定をあらかじめ労使間で締結し、所轄労基署長に届け出ていなければなりません。
36協定には、企業が従業員に命じることができる時間外労働の時間や休日労働の日数を定めておく必要があるのですが、これまでは法律上の上限規制がなかったためどのようにでも定めることができました。
しかし、このたびの「働き方改革」で、前述のとおり上限規制がもうけられることに伴い、時間外労働については原則月45時間年360時間までで定めなければならず、これに適合しない36協定は無効となることが法律に明記されることになります(臨時的な特別事情があれば年720時間、但し45時間を超えられる月は年間6か月まで)。
36協定が無効になれば締結していないことと同じですから、残業を命じた企業は労働基準法違反として罰せられることになります。

ただ、この「時間外労働の上限規制」ですが、一部企業では、経営が揺らぎかねないという懸念が根強いとのこと。

最終的にどう落ち着くのか。
規制が有名無実化することのないよう、また企業の経営を必要以上に圧迫して労働者にそのしわ寄せがくることのないよう、そして心身ともに健やかに意欲をもって仕事につけるよう、期待したいですね。

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