フレックスタイム制とは、始業及び終業の時刻をその労働者の決定にゆだねることを条件に、1ヵ月以内の一定の期間(清算期間)における1週間平均の労働時間が法定労働時間を超えない範囲内において、法定労働時間を超えて労働させることができ、その法定労働時間を超えた労働時間については時間外労働とはならない制度です。
労働者が、その生活と業務の調和を図りながら効率的に働くことができ、結果的に労働時間を短縮することにつながります。
制度の採用にあたっては、就業規則その他これに準ずるものにより始業及び終業の時刻を労働者の決定に委ねる旨定めたうえで、労使協定を締結し次の事項を定めます。なお、労使協定は所轄労働基準監督署長に届け出る必要はありません。
フレックスタイム制を採用した場合に時間外労働となるのは、清算期間における法定労働時間の総枠を超えた時間です。
1日単位または1週間単位で法定労働時間を超えて働いた場合でも、時間外労働として扱いません。
フレックスタイム制において、実際に労働した時間が清算期間における総労働時間として定められた時間に比べて過不足が生じた場合には、当該清算期間内で労働時間及び賃金を清算することがフレックスタイム制の本来の趣旨ですが、それを次の清算期間に繰り越すことの可否については次のとおりです。
過剰分はその清算期間中の賃金として支払わなければならず、次の清算期間に繰り越すことはできません。
不足分に相当する賃金をその清算期間中の賃金からカットすることはもちろん可能でありますが、不足分の時間を加えた次の清算期間の総労働時間が法定労働時間の総枠の範囲内である限り、不足分を次の清算期間に繰り越して清算することも可能です。