解雇とは、労働契約を将来に向かって一方的に解約する使用者による意思表示のことを言います。
使用者には、原則として、労働者を解雇する権利(解雇権)があるとされていますが、解雇権の行使を安易に認めることは労働者保護の観点から好ましくはありません。そこで、労働契約法第16条では、
『解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。』
と定められています。
期間の定めのある労働契約は、期間の満了により当然に終了します。(雇止めに関する基準あり)
期間の途中については、やむを得ない事由があるときは契約の解除をすることができるとされており、さらに、使用者は、やむを得ない事由がある場合でなければ、その契約期間が満了するまでの間において、労働者を解雇することができない、とも定められています。
なお、一定の事業の完了に必要な期間を定めるものを除き契約期間が一年を超える労働者(専門的知識等を有し当該専門的知識等を必要とする業務につく労働者、満60歳以上の労働者は除く)は、労働契約の期間の初日から1年を経過した日以後においては、その使用者に申し出ることにより、いつでも退職することができるとされています。
期間の定めのない労働契約は、いつでも解約の申入れをすることができ、この場合、労働契約は、解約の申入れの日から2週間を経過することによって終了するとされています。
労働者については、上記の規定に従い、退職の自由が保障されているといえます。すなわち、たとえ就業規則等で「退職の申し入れは30日前までに」と定められていたとしても制限されることはありません。
他方、使用者については、労働者保護の観点から、労働基準法等により大幅な制限が加えられています。